アイデンティティや自分の可能性と向き合った3年間
あるべき自分を決めつけていた
昔から心身が敏感で、学校以外の時間は泣いてばっかりでしたね。幼少期から、学校にいる間は平気だけど、朝と放課後はずっと泣いてる、みたいな感じでした。学校の時間は無理やり「勉強ができる自分」になりきっていた感じ。
色々ストレスが重なって、中三の時に声が出なくなってしまって。進級要件を満たすくらいの日数はなんとか学校には行っていたけど、つらくて、退学を考えてました。
あのころは東大しか見てなかったので、とある進学校に通ってたんですけど、そこの校風がどうしても自分に合わなくて…。卒業生の1/3が東大に行くような学校だったので、ここが合わないなら東大も合わないんじゃないかと思い始めました。東大以外のことを考えてこなかったので、じゃあどうすればいいんだろうって、すごく迷ってた。居場所がなかったです。
型にとらわれない同級生たちとの出会いで世界が広がった
やっぱりさくも(注:松平さんの同級生)との出会いはすごく重要だったなと思います。社長だしデザインも作曲もできる、同い年なのにジェネラリストって感じの人で。そういう人の隣で授業サボりながら(笑)、いろんなことを話してるうちに視野が広がっていったのは間違いないなと思います。
わたしとさくもと、あと2〜3人で授業をサボって小教室に立てこもって、マック食べながらこれからどうする?とかずーっと話してました。その空間でだんだん、もしかしたら自分は海外大かもな、と思い始めました。
最終的には同級生に「ミリミリは海外しかないっしょ」と言われたのと、嶺井さん(注:Loohcs志塾代表)から「AO入試という受験方式があるよ」と言われて、やっと「東大が合わないならAOとか海外大にシフトしてもいいかな」って思えましたね。AOと海外大は受験方式が似てるから、両方視野に入れて学外活動していこうって思えました。そういう時間の余裕があったり、ある意味で放任主義なところは、ルークスならではだったなと思います。
高校に入ったばかりの頃の自分には、本当に勉強しかなかった。でもさくもに出会って、なんとなくIllustraterに興味を持って、それがきっかけで学生主体のフリーペーパーのプロジェクトの代表をして、そこも自分にとって大切な居場所になりました。
そういえば、自分のセクシャリティに気づけたのもあの空間のおかげだったな。生まれた性別に囚われる必要がないっていう、人間の可能性の広さを、違和感なく受け入れられるようになりました。自分がセクシャルマイノリティなんだっていうことにに気づけて、すごく気が楽になったんですよね。それでもいいんだって思えるような環境だったなと思います。それがきっかけで、学生団体を立ちあげたんです。LGBTQ+の学生がzoomで話したりTwitterの質問箱でやり取りするようなコミュニティ。今思えば、いくつも大切な居場所ができたなって、嬉しく思います。
それから、高二の秋に田中さん(注:チューター)に出会って、考え方が根底から変わったなと思います。小さな頃から「自分は何もできない、勉強ができるっていうだけで認められてる」っていう感覚があって…大学卒業したら、勉強の成績が関係ない世界だから、自分は評価されなくなるっていう強い恐怖心があったんです。
でも田中さんはわたしがどんな弱音を吐いても、わたしの脳みそが溶けるまで(笑)、繰り返し「生きててえらい」って、もう毎日、1日に何回でも言ってくれて。生きてるだけでえらいって言ってもらえるのは初めてのことだったから、だんだんそうなのかもなって思えるようになりましたね。今は、そんなの当たり前というか、事実でしかないなと思える。今はわたしの口癖も「生きてるだけでえらい」になっちゃいましたね(笑)。 いちばんしんどい時期には、病院を紹介してくれて、当日も付き添ってくれて。今は服薬をしながら、だんだん元気になってきてます。
自分に一番合う進路を選べたのはやっぱりルークスの風土のおかげ
わたしは心理・教育系のスタートアップに入りたいなと思っているので、ビジネス・テクノロジー・心理学を並行できるミネルバはかなり理想的な環境ですね。ミネルバでの暮らしには期待が高いです!まだ学校自体は始まっていないんだけど、もう友達もでき始めていて、オーストラリア・エジプト・ベトナムの子とか。旅行の話、環境政策の話、かぐや様(注:日本のアニメ作品)の話とかしてます(笑)。
今、ミネルバ大学の新入生っていう立場になって、みんなと仲良くならなきゃって焦ることも多いけど、ルークスでは1/3くらいしか友達じゃなかったし、そんなに気負わなくてもいいなとも思えてます。友達じゃなくても一緒にいられるんだって今はもうわかっているから。
ルークスに通ったからこそ海外大を選んだなって思います。学外活動をするマインドになれて、実行できたのは、やっぱり自分で使える時間と体力が余ってたからかなと思う。海外大志望の後輩の面倒見たいってすごく思ってます!いつでも相談に乗るので、頼って欲しいです。